2025年10月15日水曜日

🏢 問題 22 実施権の設定・許諾|専用実施権 通常実施権 法定実施権 国家試験知的財産管理技能検定2級「学科」予想問題+過去問(3回分) (知財シリーズ)

 〔参考文献〕


国家試験知的財産管理技能検定2級「学科」予想問題+過去問(3回分) (知財シリーズ) 


資料種別 図書

著者 露木美幸 編著

出版者 三和書籍

出版年 2009.9

資料形態 紙

ページ数・大きさ等 360p ; 21cm

NDC -

https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010820173


問題 22 実施権の設定・許諾

◉ 実施権に関数記述について適切なものはどれか。

PP25-26


ASADA Misuzu

専用実施権

通常実施権

法定実施権


それぞれの説明と

設定契約書が必要なものと必要でないもの


まとめていただけますか。


特許法に規定されてるとしたら何条になりますか。


🌼 Anthropic AI Claude Sonnet 4.5 

専用実施権、通常実施権、法定実施権について、まとめてご説明いたします。


 1. 専用実施権


説明:

特許権者が設定した範囲内で、独占的に特許発明を実施できる権利です。専用実施権者は、その範囲内では特許権者も実施できなくなります。物権的な権利として扱われ、第三者に対抗するためには登録が必要です。


設定契約書:  必要


特許法の条文:

第77条 - 専用実施権の設定

第98条第1項第2号 - 専用実施権の設定等の登録


(専用実施権)

第七十七条 特許権者は、その特許権について専用実施権を設定することができる。

2 専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有する。

3 専用実施権は、実施の事業とともにする場合、特許権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。

4 専用実施権者は、特許権者の承諾を得た場合に限り、その専用実施権について質権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができる。

5 第七十三条の規定は、専用実施権に準用する。

(登録の効果)

第九十八条 次に掲げる事項は、登録しなければ、その効力を生じない。

一 〔割愛〕

二 専用実施権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は特許権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限

〔以後割愛〕

https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121


2. 通常実施権


説明:

特許発明を実施する権利ですが、専用実施権と異なり独占的ではありません。特許権者も他者にも通常実施権を許諾できます。債権的な権利です。


設定契約書: 原則として必要(当事者間の合意による許諾)


特許法の条文:

第78条 - 通常実施権の許諾

(通常実施権)

第七十八条 特許権者は、その特許権について他人に通常実施権を許諾することができる。

2 通常実施権者は、この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を有する。

https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121


 3. 法定実施権


説明:

法律の規定により、当事者の合意がなくても当然に発生する実施権です。いくつかの種類があります。


設定契約書: 不要(法律上当然に発生するため)


特許法の条文:

主な法定実施権には以下があります:


第79条 - 先使用による通常実施権

  - 特許出願前から善意で発明を実施していた者に認められる


(先使用による通常実施権)

第七十九条 特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、又は特許出願に係る発明の内容を知らないでその発明をした者から知得して、特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許出願に係る特許権について通常実施権を有する。

  

第80条 - 無効審判の請求登録前の実施による通常実施権

特許無効審判の請求登録前に実施していた者の保護


(無効審判の請求登録前の実施による通常実施権)

第八十条 次の各号のいずれかに該当する者であつて、特許無効審判の請求の登録前に、特許が第百二十三条第一項各号のいずれかに規定する要件に該当することを知らないで、日本国内において当該発明の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許を無効にした場合における発明及び事業の目的の範囲内において、その特許を無効にした場合における特許権又はその際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。

二 特許を無効にして同一の発明について正当権利者に特許をした場合における原特許権者

三 前二号に掲げる場合において、特許無効審判の請求の登録の際現にその無効にした特許に係る特許権についての専用実施権又はその特許権若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者

2 当該特許権者又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。

第81条 - 意匠権の存続期間満了後の通常実施権

抵触する意匠権の存続期間満了後の原意匠権者の保護


(意匠権の存続期間満了後の通常実施権)

第八十一条 特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は、原意匠権の範囲内において、当該特許権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。


第82条 - 特許権の移転の対抗要件に関する通常実施権

第八十二条 特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その満了の際現にその意匠権についての専用実施権又はその意匠権若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者は、原権利の範囲内において、当該特許権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。

2 当該特許権者又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。


第92条は、おっしゃる通り「自己の特許発明の実施をするための通常実施権の設定の裁定」に関する条文で、利用・抵触関係にある他の権利について協議を求めることができる規定ですね。

(自己の特許発明の実施をするための通常実施権の設定の裁定)

第九十二条 特許権者又は専用実施権者は、その特許発明が第七十二条に規定する場合に該当するときは、同条の他人に対しその特許発明の実施をするための通常実施権又は実用新案権若しくは意匠権についての通常実施権の許諾について協議を求めることができる。

2 前項の協議を求められた第七十二条の他人は、その協議を求めた特許権者又は専用実施権者に対し、これらの者がその協議により通常実施権又は実用新案権若しくは意匠権についての通常実施権の許諾を受けて実施をしようとする特許発明の範囲内において、通常実施権の許諾について協議を求めることができる。

3 第一項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、特許権者又は専用実施権者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。

4 第二項の協議が成立せず、又は協議をすることができない場合において、前項の裁定の請求があつたときは、第七十二条の他人は、第七項において準用する第八十四条の規定によりその者が答弁書を提出すべき期間として特許庁長官が指定した期間内に限り、特許庁長官の裁定を請求することができる。

5 特許庁長官は、第三項又は前項の場合において、当該通常実施権を設定することが第七十二条の他人又は特許権者若しくは専用実施権者の利益を不当に害することとなるときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。

6 特許庁長官は、前項に規定する場合のほか、第四項の場合において、第三項の裁定の請求について通常実施権を設定すべき旨の裁定をしないときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。

7 第八十四条、第八十四条の二、第八十五条第一項及び第八十六条から前条までの規定は、第三項又は第四項の裁定に準用する


第93条は「公共の利益のための通常実施権の設定の裁定」に関する条文で、私が説明した「特許権等の放棄と通常実施権」ではありませんでした。

(公共の利益のための通常実施権の設定の裁定)

第九十三条 特許発明の実施が公共の利益のため特に必要であるときは、その特許発明の実施をしようとする者は、特許権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。

2 前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、その特許発明の実施をしようとする者は、経済産業大臣の裁定を請求することができる。

3 第八十四条、第八十四条の二、第八十五条第一項及び第八十六条から第九十一条の二までの規定は、前項の裁定に準用する


## まとめ表

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実施権の種類 独占性 契約書 主な条文
専用実施権 あり 必要 77条、98条
通常実施権 なし 必要 78条
法定実施権 なし 不要 79条〜93条など

法定実施権は契約によらず法律上当然に発生するため、契約書は不要ですが、実際にその要件を満たしているかの立証が重要になります。


編集・文責:浅田美鈴(ASADA Misuzu)
Official Editor: Misuzu ASADA
公式ポータル:https://asada-misuzu-official.blogspot.com/
Language Analysis Collaboration: Claude (Anthropic)

🏢 問題 22 実施権の設定・許諾|専用実施権 通常実施権 法定実施権 国家試験知的財産管理技能検定2級「学科」予想問題+過去問(3回分) (知財シリーズ)

 〔参考文献〕 国家試験知的財産管理技能検定2級「学科」予想問題+過去問(3回分) (知財シリーズ)  資料種別 図書 著者 露木美幸 編著 出版者 三和書籍 出版年 2009.9 資料形態 紙 ページ数・大きさ等 360p ; 21cm NDC - https://ndlsea...